介護が必要になったとき、「自分や家族はどの区分になるのか」と気になる方は少なくありません。要介護度の基準一覧表をひと目で確認できれば、今後の生活や費用の見通しが立ちやすくなります。この記事では、要支援1から要介護5までの7区分の基準と、実際に受けられるサービス・給付額を具体的にまとめました。

要介護認定区分の数: 7区分(要支援1・2、要介護1~5) ·
最も多い認定区分: 要介護1(全体の約20%) ·
基準時間の最小値: 要支援1:25分以上 ·
基準時間の最大値: 要介護5:110分以上 ·
申請窓口: 市区町村の介護保険課 ·
認定有効期間: 原則6ヶ月~24ヶ月

早わかり要介護度

1要介護度とは
2認定の決まり方
  • 訪問調査(約74項目)(厚生労働省
  • コンピュータ一次判定(厚生労働省
  • 介護認定審査会で二次判定(厚生労働省)
  • 主治医意見書を考慮(厚生労働省)
3区分別の状態概要
4受けられる主なサービス
  • 訪問介護、デイサービス(ベネッセスタイルケア)
  • ショートステイ、福祉用具貸与(ベネッセスタイルケア)
  • 要介護3以上で施設入所が現実的に(ベネッセスタイルケア)

要介護度(要介護レベル)とは?認定基準と区分ごとの状態目安

要介護度は、介護保険制度で「どれだけの介護が必要か」を7段階で示す指標です。厚生労働省が定める認定基準時間に基づき、要支援1・2と要介護1~5の合計7区分に分類されます(チャームケアコミュニティ(介護情報専門サイト))。自立(非該当)を含めると実質8段階の見方もできます(厚生労働省(国の介護保険制度所管省庁))。

要介護度の8段階の概要

  • 自立(非該当):歩行や起き上がりなどの日常生活上の基本的動作を自分で行うことができる状態(厚生労働省)
  • 要支援1:基本的に一人で生活ができるが家事などの支援が必要な状態(ベネッセスタイルケア(大手介護情報サービス))。適切なサポートがあれば要介護状態になることを防げる状態(同)
  • 要支援2:要支援1よりも日常生活動作の低下がみられ、部分的な介助が必要な状態
  • 要介護1:食事や排泄などに部分的な介助が必要(基準時間32分以上50分未満)
  • 要介護2:立ち上がりや歩行などの動作に中度の介助が必要
  • 要介護3:ほぼ全面的な介助が必要で、見守りのみでは不安な状態
  • 要介護4:日常生活のほとんどの動作に介助が必要
  • 要介護5:最も重い区分で、全面介助が必要(基準時間110分以上)
要するに: 厚生労働省は要介護度を、単なる重症度の順位ではなく、介護に必要な時間を基準にした実用的な区分として定めています。利用者は各区分の基準時間を数値で確認することで、状態像を判断しやすくなります。

認定基準時間の内訳一覧表

7区分の時間幅と月額給付限度額を一つの表で比較できます。

区分 認定基準時間 月額支給限度基準額
要支援1 25分以上32分未満 50,320円(単位:5,032)
要支援2 32分以上50分未満 105,310円(単位:10,531)
要介護1 32分以上50分未満 167,650円(単位:16,765)
要介護2 50分以上70分未満 197,050円(単位:19,705)
要介護3 70分以上90分未満 270,480円(単位:27,048)
要介護4 90分以上110分未満 309,380円(単位:30,938)
要介護5 110分以上 362,170円(単位:36,217)

要介護認定の基準時間は、介護に要する時間を客観的に測定したものです。 — 厚生労働省「介護保険法」

申請手続きは市区町村の介護保険課で受け付けています。まずはお住まいの市区町村にご相談ください。 — 市区町村の介護保険課(一般的な対応)

上記の単位は1単位あたりの地域単価(例:10~10.3円)を掛けて実際の給付額が算出されます(ベネッセスタイルケア(大手介護情報サービス))。

ここでの基準時間はいずれも1日あたりの介護に要する時間の目安です。要介護5の110分は、24時間のうち約2時間近く誰かの介助が必要という計算になります。

ここがポイント

要介護1の月額限度額は約16.7万円ですが、実際の自己負担は所得に応じて1~3割です。利用者負担を計算するときは「限度額×自己負担割合」で概算できます。

以上を踏まえると、要介護度は給付限度額と自己負担の関係を理解する上で重要な指標であることがわかります。

要介護度はどうやって決まるの?

「申請したらどの区分になるのか」は、単なる医師の診断書だけで決まるわけではありません。約74項目にわたる訪問調査と、コンピュータによる一次判定、そして専門家による二次判定の三層構造で決まります。

認定調査の流れ

  • 認定調査員が自宅や施設を訪問し、心身状態を約74項目にわたって聞き取り・観察
  • 調査項目には「食事」「排泄」「入浴」「歩行」「認知機能」「行動障害」などが含まれる
  • 主治医意見書も同時に作成され、判定の参考資料となる

一次判定と二次判定の仕組み

調査結果はコンピュータに入力され、全国一律のアルゴリズムで一次判定(コンピュータ判定)が行われます。その後、介護認定審査会(保健・医療・福祉の専門家で構成)が二次判定を行い、最終的な要介護度を決定します(厚生労働省(国の介護保険制度所管省庁))。

注意点

要介護認定調査の評価項目の詳細な重み付けは非公開です。そのため、市区町村ごとの認定審査会の判断に多少のばらつきが生じる可能性があることも認識しておきましょう。

不確かな点:

  • 要介護認定調査の評価項目の詳細な重み付けは非公開
  • 市区町村ごとの認定審査会の判断にばらつきが生じる可能性がある

申請から認定までは約30日が目安です。市区町村の介護保険課または地域包括支援センターに相談すると、手続きの流れを詳しく教えてもらえます。

要するに: 要介護度の決定は、調査員の訪問調査とコンピュータ判定、専門家による審査会の三層構造で行われます。申請者側で準備できるのは、正確な情報を伝えることと、主治医意見書で現在の状態をしっかり書いてもらうことです。適切な認定を受けるために、これらの点に注意しましょう。

このプロセスを理解すれば、申請時の不安が軽減され、必要な準備を計画的に行えます。

要介護1と5はどちらが重いですか?

要介護5が最も重い区分で、要介護1は軽度に位置します。基準時間で比較すると要介護5は110分以上、要介護1は32分以上50分未満と約3倍の開きがあります。この差は給付限度額にも如実に表れます。

要介護1の状態像と受けられるサービス

要介護1は「部分的な介助が必要」な状態です。食事や排泄の一部に介助が必要で、訪問介護やデイサービスを週2~3回程度利用するケースが多いです。月額支給限度基準額は約16.7万円で、利用者負担は原則1割(所得により2~3割)です(ベネッセスタイルケア(大手介護情報サービス))。

要介護5の状態像と受けられるサービス

要介護5は「全面介助が必要」な最も重度の区分です。寝たきりに近い状態で、食事・排泄・入浴のすべてに介助が必要です。特別養護老人ホームなどの施設入所が現実的な選択肢になります。月額支給限度基準額は約36.2万円で、要介護1の約2.2倍の給付枠があります(ベネッセスタイルケア(大手介護情報サービス))。

給付限度額の違い

次の表は要介護1と5の給付限度額の差を示しています。

区分 月額限度額 要介護1を1とした場合
要介護1 167,650円 1.0倍
要介護5 362,170円 約2.2倍

給付額の差は単に「重いほどお金がかかる」というだけでなく、要介護5では施設入所費や医療的ケアの費用がかさむことを反映しています。

要するに: 要介護1と5では給付限度額が約2.2倍異なりますが、利用者は区分が軽いからといってサービスを制限されるわけではありません。必要なサービスを必要な範囲で使うのが原則です。

区分に応じたサービス設計の柔軟性が、介護保険制度の特徴であると言えます。

要介護認定における「要支援」とは?「要介護」と異なるポイントは?

「要支援」は「要介護」よりも軽度ですが、単なる軽い介護区分という位置づけではありません。制度の設計思想が異なり、要支援は「予防」、要介護は「介護給付」という違いがあります。

要支援1・2の基準時間と状態像

  • 要支援1:基準時間25分以上32分未満。月額支給限度額50,320円(ベネッセスタイルケア(大手介護情報サービス))。状態像は「基本的に一人で生活できるが、家事や買い物などに支援が必要」程度
  • 要支援2:基準時間32分以上50分未満。月額支給限度額105,310円(ベネッセスタイルケア(大手介護情報サービス))。状態像は「日常動作の一部に支障があり、見守りや部分的な介助が必要」程度

要支援と要介護のサービスの違い

下記の表は、要支援と要介護の目的や利用可能サービスの違いを整理したものです。

項目 要支援(予防給付) 要介護(介護給付)
目的 介護状態になるのを予防する 介護が必要な状態に対してサービスを提供する
利用できる主なサービス 介護予防訪問介護、介護予防デイサービス 訪問介護、デイサービス、ショートステイ
施設入所 原則不可(特養などは入所条件を満たさない) 要介護3以上で現実的に可能
ケアマネジメント 介護予防ケアマネジメント(地域包括支援センター) 居宅介護支援事業所のケアマネジャーが担当

要支援の最大の特徴は、「予防」に重点が置かれていることです。状態の悪化を防ぐための運動指導や栄養改善プログラムが中心で、介護給付のような入浴介助や食事介助といった直接的な介護サービスは原則として含まれません。

要するに: 要支援と要介護は、介護保険制度の目的が「予防」か「介護給付」かで根本的に異なります。利用者は要支援の段階で適切な予防サービスを受けることで、要介護状態への移行を遅らせられる可能性があります。

この違いを理解しておけば、将来のサービス選択に役立ちます。

要介護1でデイサービスに何日いける?もらえるお金は?

デイサービスの利用日数に法律上の厳格な制限はありませんが、支給限度額の範囲内で調整します。要介護1の場合、月額約16.7万円の限度額内で、事業所の利用料金に応じて回数が決まります。 要介護度の基準について、こちらの介護保険制度における介護必要度の指標で詳しく解説しています。 介護保険制度における介護必要度の指標.

デイサービスの回数制限と費用目安

  • 一般的なデイサービス(通所介護)の1回あたり利用料(1割負担の場合)は約600~1,200円程度
  • 週2~3回(月8~12回)が目安。限度額の範囲内であれば、事業所によっては週5回まで利用できる場合もある
  • 回数が多いほど自己負担額も増えるため、ケアマネジャーと相談しながら調整する

要介護1の支給限度額(月額)

要介護1の月額支給限度基準額は167,650円(単位:16,765)です(ベネッセスタイルケア(大手介護情報サービス))。利用者負担は原則1割(所得により2~3割)で、実際の自己負担額は約1.6万円~5万円程度になります。

具体的な試算

デイサービスを週2回(月8回)、1回あたりの利用料が1,500円(1割負担)の場合、月額約1.2万円の自己負担。限度額にはまだ余裕があり、訪問介護や福祉用具貸与と組み合わせるのが一般的な使い方です。

デイサービスの利用目的は、単なる「預かり」ではありません。機能訓練や口腔ケア、入浴介助などを通じて、ADL(日常生活動作)の維持・改善を図るのが本来の役割です。

パーキンソン病で要介護認定を受けるには?申請と認定調査のポイント

パーキンソン病は、40歳以上であれば介護保険の特定疾病に該当します。一般的な要介護認定の申請手続きと同様ですが、パーキンソン病特有の症状をどう評価に反映させるかがポイントです。

パーキンソン病の特定疾病と介護保険の関係

パーキンソン病は介護保険法で定める16の特定疾病に含まれます。40歳以上から申請可能で、パーキンソン症候群(パーキンソン病を含む)は脳血管疾患などと並んで代表的な特定疾病です。難病医療費助成(指定難病)とは別の制度であり、両方を併用できます。

申請手順と必要書類

  • 申請窓口:市区町村の介護保険課または地域包括支援センター
  • 申請者:本人または家族、居宅介護支援事業者による代行も可能
  • 必要書類:被保険者証、主治医意見書(パーキンソン病の診断書とは別で、介護認定用の書式)、申請書
  • 申請から認定まで:約30日

パーキンソン病で評価に影響しやすいポイント

  • 動作緩慢:歩行速度の低下や日常生活動作(着替え、食事など)の所要時間の増加
  • 転倒リスク:すくみ足や姿勢反射障害による転倒リスクの高さ
  • 非運動症状:認知機能障害、うつ症状、自律神経症状など、介護負担に影響する項目

パーキンソン病の症状は日内変動や薬効のオン・オフがあり、調査時点の状態だけでは全体像を捉えにくいケースもあります。主治医意見書で普段の状態や夜間の状況などを詳細に記載してもらうことが重要です。

要するに: パーキンソン病では動作緩慢と転倒リスクが要介護度の評価に大きく影響します。患者様は難病申請とは別制度の介護保険も併用することで、より総合的な支援を受けられます。

早期の申請と適切な情報提供が、適正な認定につながる鍵です。

要介護認定は誰に頼めばいいですか?申請の流れ

要介護認定の申請は、本人または家族が市区町村の介護保険課に直接行うのが基本ですが、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者に代行してもらうこともできます。

申請できる人(本人・家族・居宅介護支援事業者)

  • 本人:被保険者証を持って市区町村の窓口へ
  • 家族:同居・別居を問わず申請可能
  • 居宅介護支援事業者(ケアマネジャー):代行申請が可能。すでにケアマネと契約している場合は相談すると効率的
  • 地域包括支援センター:介護に関する総合相談窓口。初めての申請で不安な場合はここで相談できる

申請から認定までの期間と手順

申請から認定までは法律上、原則30日以内です。以下の流れで進みます。

  1. 申請:市区町村窓口で申請書を提出
  2. 訪問調査:認定調査員が自宅を訪問し約74項目を調査
  3. 主治医意見書作成:かかりつけ医が意見書を作成
  4. 一次判定:コンピュータによる機械判定
  5. 二次判定:介護認定審査会で最終判定
  6. 認定結果通知:認定結果と被保険者証が送付
ステップ 内容 目安期間
1. 申請 市区町村窓口で申請書を提出 当日
2. 訪問調査 認定調査員が自宅を訪問し約74項目を調査 申請から約1週間後
3. 主治医意見書作成 かかりつけ医が意見書を作成(市区町村から依頼) 調査と並行して
4. 一次判定 コンピュータによる機械判定 調査後約2週間
5. 二次判定 介護認定審査会で最終判定 一次判定から約1週間
6. 認定結果通知 市区町村から認定結果と被保険者証が送付 申請から約30日

ときに調査日程の調整などで遅れる場合もありますが、窓口で状況を確認できます。

実務のポイント

申請時に「パーキンソン病の特定疾病該当」を伝えておくと、市区町村が適切な手続きを行ってくれます。また、申請前に地域包括支援センターで事前相談をしておくと、必要書類の準備がスムーズです。

要するに: 申請は市区町村の介護保険課または地域包括支援センターで行います。本人や家族が申請するほか、ケアマネジャーが代行することも可能です。適切な窓口に早めに相談することをお勧めします。

手続きの流れを事前に把握しておけば、円滑に進められます。

よくある質問

要介護度に関する代表的な疑問をまとめました。

要介護認定の有効期間はどのくらいですか?

有効期間は原則6ヶ月~24ヶ月で、状態像や年齢によって異なります。65歳以上の高齢者(第1号被保険者)は最長24ヶ月、40歳以上65歳未満の特定疾病該当者(第2号被保険者)は最長12ヶ月とされています。有効期間が満了する前に更新申請が必要です。

要介護度は更新できますか?

はい、更新申請(区分変更申請)が可能です。状態が変化した場合、本人や家族がいつでも市区町村に申請できます。例えば、パーキンソン病の症状が進行して介護負担が増えた場合には、再認定を受けることで区分が上がる可能性があります。

要介護認定に不服がある場合の申立て方法は?

認定結果に不服がある場合は、都道府県の介護保険審査会に審査請求ができます。請求期限は認定結果通知を受け取った日から60日以内です。請求には理由書と認定結果通知書の写しが必要で、市区町村窓口で手続きの案内を受けられます。

要介護1で訪問介護は利用できますか?

要介護1でも訪問介護(ホームヘルプ)は利用できます。訪問介護のサービス内容は身体介護(入浴介助、排泄介助など)と生活援助(掃除、洗濯、買い物など)の2種類で、要介護1では身体介護の時間がやや限られるものの、生活援助中心の利用が一般的です。

パーキンソン病で要介護認定を受けると難病医療費助成はどうなりますか?

両制度は併用できます。パーキンソン病は指定難病(特定医療費)の対象疾患で、医療費助成を受けることができます。要介護認定は介護保険サービスの利用のための区分であり、難病医療費助成とは別の制度です。両方の申請をすることをおすすめします。

要介護認定の調査ではどんなことを聞かれますか?

調査では約74項目にわたる質問があります。主な内容は、食事・排泄・入浴・更衣・歩行・移動・認知機能・行動障害(徘徊、暴言など)・社会生活への適応状況などです。また、同居家族の状況や住環境についても質問されることがあります。

要介護度が軽くなった場合、サービスはどう変わりますか?

区分変更で軽度になった場合、利用できるサービスの種類や給付限度額が変わります。例えば、要介護1から要支援2に下がった場合、施設入所の条件を満たさなくなるほか、訪問介護の身体介護時間が制限される可能性があります。ケアマネジャーと相談しながら、新しい区分に合ったサービス計画を見直す必要があります。

まとめ:要介護度の基準を理解して、適切なサービスにつなげる

要介護度は単なる重症度のラベルではありません。認定基準時間に基づく客観的な指標であり、給付限度額や利用できるサービスを左右する実務上の区分です。要支援段階での予防が効果的であり、要介護段階では状態に応じた適切なサービス選択が鍵を握ります。パーキンソン病などの特定疾病に該当する場合には、早期の申請と制度の併用が生活の質を大きく左右します。

介護保険制度は年々改正があり、区分ごとの給付額やサービス内容も変わる可能性があります。最新の情報は市区町村の介護保険課や地域包括支援センターで確認するのが確実です。要介護度の基準一覧表を手元に置きながら、自分や家族に合ったサービスを検討してみてください。